第二種電気工事士 令和5年下期[午後] 問19

問19

600Vビニル絶縁ビニルシースケーブル平形1.6mmを使用した低圧屋内配線工事で,絶縁電線相互の終端接続部分の絶縁処理として,不適切なものは。ただし,ビニルテープはJISに定める厚さ約0.2mmの電気絶縁用ポリ塩化ビニル粘着テープとする。
  1. リングスリーブにより接続し,接続部分を自己融着性絶縁テープ(厚さ約0.5mm)で半幅以上重ねて1回(2層)巻き,更に保護テープ(厚さ約0.2mm)を半幅以上重ねて1回(2層)巻いた。
  2. リングスリーブにより接続し,接続部分を黒色粘着性ポリエチレン絶縁テープ(厚さ約0.5mm)で半幅以上重ねて2回(4層)巻いた。
  3. リングスリーブにより接続し,接続部分をビニルテープで半幅以上重ねて1回(2層)巻いた。
  4. 差込形コネクタにより接続し,接続部分をビニルテープで巻かなかった。

正解 

解説

絶縁電線相互の接続部分の絶縁処理は、①絶縁電線の絶縁物と同等以上の接続器を使用するか、②絶縁電線の絶縁物と同等以上の絶縁効力のあるもので十分に被覆することで行います。具体的には以下の方法があります。
  • 差込型コネクタによる接続
  • 接続部分に絶縁キャップを取付ける
  • 接続部分を絶縁テープで被覆する
絶縁電線の絶縁被覆の厚さは、電線の太さによって異なりますが、第二種電気工事士試験で問われるのは直径1.6㎜または2.0㎜なので、必要なテープの厚みは0.8mmで固定と考えればOKです。なお、半幅以上重ねて巻いた場合に1回で2層巻くことができるのは以下のイメージです。
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正誤を考えるときは、差込型コネクタで接続しているか、絶縁被膜が0.8mm以上になっているものはOK、そうでないものはNGと判断します。ただし、自己融着性絶縁テープについては、既定の厚さ以上巻いた後、その上に保護テープを半幅以上重ねて1回巻くことになっているので注意が必要です。
  1. 適切。自己融着性絶縁テープは、引き延ばして使用します。引き延ばしにより厚さが0.3mmになることが想定されているため、1回巻き(2層)0.6mmに加え、保護テープ1回巻き(2層)0.4mmが必要です。
  2. 適切。絶縁被膜の厚さは「0.5mm×4層=2.0㎜」になるので適切です。
  3. [不適切]。絶縁被膜の厚さは「0.2mm×2層=0.4㎜」と0.8mm未満です。絶縁被膜の厚さが不足しているので不適切です。
  4. 適切。差込型コネクタで接続すれば十分な絶縁効力が得られるので、ビニルテープを巻く必要はありません。
したがって不適切な記述は[ハ]です。