第二種電気工事士 令和6年上期 問9

問9

図のような電熱器H1台と電動機M2台が接続された単相2線式の低圧屋内幹線がある。この幹線の太さを決定する根拠となる電流IW[A]と幹線に施設しなければならない過電流遮断器の定格電流を決定する根拠となる電流IB[A]の組合せとして,適切なものは。ただし,需要率は100%とする。
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  1. IW 50
    IB 125
  2. IW 50
    IB 130
  3. IW 60
    IB 130
  4. IW 60
    IB 150

正解 

解説

幹線の許容電流IWは、その幹線に接続されている電気機械器具の定格電流の合計値以上である必要があります。ただし、起動電流が定格電流の何倍にもなる電動機M(モーター)等が接続されている場合は、電動機の定格電流の合計には以下のとおり一定倍した値を使うことになっています。
電動機の定格電流の合計≦その他の電気機械器具の定格電流の合計
・加算しない(電動機の定格電流の合計をそのまま使う)
電動機の定格電流の合計>その他の電気機械器具の定格電流の合計
・電動機の定格電流の合計が50A以下、その合計を1.25倍する
・電動機の定格電流の合計が50A超、その合計を1.1倍する
本問では、電動機Mの定格電流の合計が「20A+20A=40A」、電動機以外の定格電流の合計が10Aです。電動機の方が大きいので一定倍する対象となります。電動機の定格電流の合計は50A以下なので、1.25倍してから、それ以外の定格電流の合計値を足します。

 IW=40[A]×1.25+10[A]=60[A]

幹線に施設する過電流遮断器の定格電流IBは、電動機Mが接続されている場合、次の2つのうち小さい値となります。
  1. 上記で求めた幹線の太さを決める際の根拠となる電流IW2.5
  2. 電動機の定格電流の合計値IM3倍に電動機以外の定格電流の合計値IHを加えた値
本問に当てはめると、
  1. IW×2.5=60[A]×2.5=150[A]
  2. IM×3+IH=40[A]×3+10[A]=130[A]
したがって、幹線に施設する過電流遮断機の定格電流IBは、2つを比べて小さい方の130[A]以下としなけばなりません。

以上より、適切な組合せはIW 60[A]とIB 130[A]となります。