第二種電気工事士 平成29年上期 問23

問23

D種接地工事の施工方法として,不適切なものは
  1. ルームエアコンの接地線として,直径1.6mmの軟銅線を使用した。
  2. 単相100Vの電動機を水気のある場所に設置し,定格感度電流30mA,動作時間0.1秒の電流作動型漏電遮断器を取り付けたので,接地工事を省略した。
  3. 低圧電路に地絡を生じた場合に0.5秒以内に自動的に電路を遮断する装置を設置し,接地抵抗値が300Ωであった。
  4. 移動して使用する電気機械器具の金属製外箱の接地線として,多心キャブタイヤケーブルの断面積0.75mm2の1心を使用した。

正解 

解説

D種接地工事は、使用電圧が300V以下の低圧電気機器に施す接地工事であり、以下の条件を満たす必要があります。
  • 接地抵抗値は100Ω以下(0.5秒以内に電路を自動遮断する装置がある場合は500Ω以下)
  • 接地線は太さ1.6mm以上の軟銅線。ただし、移動して使用する電気機械器具の場合は、多心コードまたは多心ケーブルの1心であって断面積0.75mm2以上のもの、可とう性を有する軟銅より線で断面積1.25mm2以上のもの
また、いずれかの場合は接地工事を省略できます。
  • 対地電圧150V以下の機械器具を乾燥した場所に設置する場合
  • 機械器具を木製の床など絶縁性のものの上に施設する場合(コンクリートは絶縁性ではないのでNG)
  • 2重絶縁の構造の機械器具を施設する場合
  • 機械器具に電気を供給する電路の電源側に絶縁変圧器(2次側線間電圧が300V以下であって、容量が3kVA以下のもの)を施設し、かつ、当該絶縁変圧器の負荷側の電路を接地しない場合
  • 機械器具に電気を供給する電路に、漏電遮断器(定格感度電流が15mA以下、動作時間が0.1秒以下の電流動作型のもの)を施設する場合(水気のある場所はNG)
  1. 適切。固定式の機械器具に使用する接地線は、直径1.6mm以上の軟銅線です。
  2. [不適切]。水気のある場所なので、15mA・0.1秒の漏電遮断器を取り付けた場合でも、接地工事を省略することはできません。
  3. 適切。0.5秒以内に電路を自動遮断する装置がある場合、接地抵抗値は500Ω以下であれば問題ありません。
  4. 適切。移動式の電気機械器具なので、多芯コードの1芯であって断面積が0.75mm2以上のものを接地線として使うことができます。
したがって不適切なものは[ロ]です。