第二種電気工事士 令和2年下期[午後] 問24

問24

回路計(テスタ)に関する記述として,正しいものは
  1. アナログ式で交流又は直流電圧を測定する場合は,あらかじめ想定される値の直近上位のレンジを選定して使用する。
  2. 抵抗を測定する場合の回路計の端子における出力電圧は,交流電圧である。
  3. ディジタル式は電池を内蔵しているが,アナログ式は電池を必要としない。
  4. 電路と大地間の抵抗測定を行った。その測定値は電路の絶縁抵抗値として使用してよい。

正解 

解説

回路計(テスタ)は、電圧・電流・抵抗などの測定ができる計器です。電圧・電流は直流と交流の測定が可能です。機種によっては、さらに静電容量や周波数の測定ができるものもあります。それぞれの測定値を測定する際に、レンジを設定しますが、レンジを切り替えるダイヤルが前面に付いていて、アナログ式では大きな表面目盛りと指針で、ディジタル式では画面に表示された数値で測定値を読み取ります。
  1. [正しい]。回路計には電圧測定用に2.5V、10V、50V、100V、500Vなどのレンジがあります。設定したレンジ(倍率)が測定値に照らして低すぎると機器故障の原因になるので、測定に当たっては想定される値に近い値の上位のレンジを選択します。
  2. 誤り。交流ではなく直流です。抵抗を測定する場合、テスタ内部で電源(電池)により、テスタの-端子から測定する抵抗へ電源が供給され、電流がテスタの+端子から電流系へ流れることにより測定が行われます。電源電圧は直流ですから、交流が発生することはありません。
  3. 誤り。アナログ式・ディジタル式のどちらも電源となる電池を必要とします。
  4. 誤り。絶縁抵抗の測定に回路計を用いることはできません。絶縁抵抗測定では、絶縁抵抗計(メガー)を用いて電路に既定値の数倍の電圧を印加することにより、絶縁体の性能を測定します。回路計とは測定原理も精度も異なるため、回路計を絶縁抵抗計の代替として使うことはできません。
したがって正しい記述は[イ]です。