第二種電気工事士 令和元年上期 問5

第二種電気工事士令和元年上期問5

問5

図のような三相3線式回路の全消費電力［kW］は。

2.4
4.8
9.6
19.2

イロハニ

正解　ハ

分野

科目：A - 電気の基礎理論
細目：5 - 三相3線式回路

解説

三相3線式回路には、スター結線(直列接続)とデルタ結線(並列接続)があり、それぞれ線間電流と相電流、線間電圧と相電圧の間に以下の関係があります。

三相3線式回路の全消費電力は、①線間電流・線間電圧、または②相電流と相電圧から求めることができます。

3×線間電流×線間電圧×力率(cosθ)
3×相電流×相電圧×力率(cosθ)

本問の回路はデルタ結線なので、1相あたりのインピーダンスに対して、線間電圧がそのまま印加されることになります。1相あたりのインピーダンスZは、R²＋X²より、

　Z＝8²＋6²＝64＋36＝100＝10[Ω]

1相あたりに流れる相電流Iは、I＝VRより、

　I＝200[V]10[Ω]＝20[A]

力率は1相当たりのインピーダンスに対する負荷の抵抗値なので、

　cosθ＝8[Ω]10[Ω]＝0.8

相電流、相電圧、力率の値がわかったので、公式②に当てはめると、

　3×20[A]×200[V]×0.8＝9,600[W]
（kWに単位に変換して）9.6[kW]

以上より9.6［kW］が正解です。

【別解1】
20Aの相電流は負荷でのみ消費されるため、負荷1つ当たりの消費電力は、I²×Rより、20[A]²×8[Ω]＝3,200[W]、負荷は3つあるので、3,200[W]×3＝9,600[W]＝9.6［kW］

【別解2】
相電流が20Aなので線間電流は 3×20[A]、公式①を使って、3×3×20[A]×200[V]×0.8＝9,600[W]＝9.6［kW］