配電方式(全47問中10問目)

No.10

図1のような単相2線式回路を,図2のような単相3線式回路に変更した場合,配線の電力損失はどうなるか。ただし,負荷電圧は100V一定で,負荷A,負荷Bはともに消費電力1kWの抵抗負荷で,電線の抵抗は1線当たり0.2Ωとする。
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令和5年上期[午前] 問7
  1. 0になる。
  2. 小さくなる。
  3. 変わらない。
  4. 大きくなる。

正解 

解説

【単相2線式回路】
各抵抗負荷の消費電力は1kWなので、電力の公式 I=PVより、

 I=1,000[W]100[V]=10[A]

並列回路ですから電線路全体に流れる電流は、10[A]+10[A]=20[A] です。オームの法則 V=I×R より、1線当たりの電力損失Pは、

 V=20[A]×0.2[Ω]=4[V]
 P=4[V]×20[A]=80[W]

電線路全体の電力損失はこれを2倍して、

 2×80[W]=160[W]
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【単相3線式回路】
各抵抗負荷の消費電力は1kWなので、各抵抗負荷に流れる電流Iは、上記と同じく10[A]となります。2つの抵抗負荷に流れる電流が同じなので、中性線に流れる電流はゼロとなります。

直列回路ですから電線路全体に流れる電流は、10[A] です。オームの法則 V=I×R より、1線当たりの電力損失Pは、

 V=10[A]×0.2[Ω]=2[V]
 P=2[V]×10[A]=20[W]

電線路全体の電力損失はこれを2倍して、

 2×20[W]=40[W]
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したがって、単相3線式回路に変更した場合、配線の電力損失は小さくなります。