交流電気の基礎(全25問中20問目)

No.20

図のような交流回路で,負荷に対してコンデンサCを設置して,力率を100%に改善した。このときの電流計の指示値は。
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平成29年上期 問4
  1. 零になる。
  2. コンデンサ設置前と比べて変化しない。
  3. コンデンサ設置前と比べて増加する。
  4. コンデンサ設置前と比べて減少する。

正解 

解説

コイルを含む交流回路では、遅れ電流が生じるので力率が低下します。コンデンサは電流を進める働きを持つので、コンデンサを設置すると遅れ電流と進み電流が打ち消しあい、回路の力率が改善されます。力率が改善される細かい理屈は割愛します。

力率とは、回路に供給された電力(皮相電力)のうち、実際に抵抗で消費された電力(有効電力)の割合を示す値ですから、電圧が同じとき、同じ電力を得るために必要な電流は力率が高いほど低くて済みます。以下の例を考えてみましょう。
  • 電圧100[V]の回路に、消費電力100[W]の抵抗があった場合、力率50[%]では100[W]の働きを得るのに必要な電流Iは、
     100[W]=100[V]×I[A]×0.5
     100=50I
     I=2[A]
  • 電圧100[V]の回路に、消費電力100[W]の抵抗があった場合、力率100[%]では100[W]の働きを得るのに必要な電流Iは、
     100[W]=100[V]×I[A]×1
     100=100I
     I=1[A]
このように力率が改善されると、回路に流れる電流は以前より減少します。したがって「コンデンサ設置前と比べて減少する」が正解です。