接地工事(全19問中5問目)

No.5

D種接地工事を省略できないものは。ただし,電路には定格感度電流30mA,定格動作時間0.1秒の漏電遮断器が取り付けられているものとする。
令和4年下期[午後] 問22
  1. 乾燥した場所に施設する三相200V(対地電圧200V)動力配線の電線を収めた長さ3mの金属管。
  2. 乾燥した場所に施設する単相3線式100/200V(対地電圧100V)配線の電線を収めた長さ6mの金属管。
  3. 乾燥した木製の床の上で取り扱うように施設する三相200V(対地電圧200V)空気圧縮機の金属製外箱部分。
  4. 乾燥した場所のコンクリートの床に施設する三相200V(対地電圧200V)誘導電動機の鉄台。

正解 

解説

絶縁不良や漏電による感電や火災を防止するため、機械器具の金属製の台や外箱、金属管等には設置工事をするのが原則です。ただし、低圧の電気工事において次のケースではD種接地工事を省略することができます。電工二種試験の中でも覚えるのが大変な論点ですが、キーワードに着目して少しずつ覚えていきましょう。
機械器具の金属製の台や外箱
  1. 対地電圧150V以下の機械器具を乾燥した場所に設置する場合
  2. 機械器具を木製の床など絶縁性のものの上に施設する場合(コンクリートは絶縁性ではないのでNG)
  3. 2重絶縁の構造の機械器具を施設する場合
  4. 機械器具に電気を供給する電路の電源側に絶縁変圧器(2次側線間電圧が300V以下であって、容量が3kVA以下のもの)を施設し、かつ、当該絶縁変圧器の負荷側の電路を接地しない場合
  5. 機械器具に電気を供給する電路に、漏電遮断器(定格感度電流が15mA以下、動作時間が0.1秒以下の電流動作型のもの)を施設する場合(水気のある場所はNG)
金属管等
  1. 乾燥した場所に長さ4m以下の金属管を施設する場合
  2. 長さ4m以下の金属可とう電線管・金属線ぴを施設する場合
  3. 対地電圧150V以下の、長さ8m以下の管や線ぴであって、①簡易接触防護措置を施すとき、または②乾燥した場所に施設するとき
上記の基準に当てはめると次のようになります。
  1. 誤り。乾燥した場所+4m以下の金属管なので省略できます(6.)。
  2. 誤り。対地電圧150V以下+8m以下の金属管+乾燥した場所なので省略できます(8.)。
  3. 誤り。低圧の機械器具を木製の床(絶縁性のもの)の上に施設するため省略できます(2.)。
  4. [正しい]。コンクリートは絶縁性ではないので、コンクリートの上に施設する鉄台には接地工事が必要です。
したがって正解は[ニ]です。