接地工事(全18問中11問目)

No.11

簡易接触防護措置を施した乾燥した場所に施設する低圧屋内配線工事で,D種接地工事を省略できないものは
令和2年下期[午前] 問22
  1. 三相3線式200Vの合成樹脂管工事に使用する金属製ボックス
  2. 三相3線式200Vの金属管工事で電線を収める管の全長が5mの金属管
  3. 単相100Vの電動機の鉄台
  4. 単相100Vの金属管工事で電線を収める管の全長が5mの金属管

正解 

解説

絶縁不良や漏電による感電や火災を防止するため、機械器具の金属製の台や外箱、金属管等には設置工事をするのが原則です。ただし、低圧の電気工事において次のケースではD種接地工事を省略することができます。電工二種試験の中でも覚えるのが大変な論点ですが、キーワードに着目して少しずつ覚えていきましょう。
機械器具の金属製の台や外箱
  1. 対地電圧150V以下の機械器具を乾燥した場所に設置する場合
  2. 機械器具を木製の床など絶縁性のものの上に施設する場合(コンクリートは絶縁性ではないのでNG)
  3. 2重絶縁の構造の機械器具を施設する場合
  4. 機械器具に電気を供給する電路の電源側に絶縁変圧器(2次側線間電圧が300V以下であって、容量が3kVA以下のもの)を施設し、かつ、当該絶縁変圧器の負荷側の電路を接地しない場合
  5. 機械器具に電気を供給する電路に、漏電遮断器(定格感度電流が15mA以下、動作時間が0.1秒以下の電流動作型のもの)を施設する場合(水気のある場所はNG)
金属管等
  1. 乾燥した場所に長さ4m以下の金属管を施設する場合
  2. 長さ4m以下の金属可とう電線管・金属線ぴを施設する場合
  3. 対地電圧150V以下の、長さ8m以下の管や線ぴであって、①簡易接触防護措置を施すとき、または②乾燥した場所に施設するとき
上記の基準に当てはめると次のようになります。
  1. 誤り。合成樹脂管工事に使用する金属製ボックスは、①乾燥した場所に施設する、または②対地電圧が150V以下であり簡易接触防護措置を施せば接地工事が不要となります。本肢は乾燥場所に施設するので省略できます。
  2. [正しい]。三相3線式200Vの対地電圧は200Vです。7.の対地電圧150V以下に該当せず、また6.の長さ4m以下の金属管にも該当しませんから接地工事が必要となります。
  3. 誤り。単相100Vの対地電圧は100Vです。対地電圧150V以下の機械器具+乾燥した場所なので省略できます(1.)。
  4. 誤り。単相100Vの対地電圧は100Vです。対地電圧150V以下+8m以下の金属管+乾燥した場所なので省略できます(7.)。
したがって正解は[ロ]です。